【悲しきダッシュ】
「あ！！！お父さん！！豆腐屋さん！！」
初めて目にした。。
先日、一年に一回くらいは
庭の剪定をしてもらおうと
業者さんと家の外で
細かな打ち合わせをしていた時でした
あの音楽がどこからか流れていたのは
耳にはしていたのですが
こちらは業者さんの剪定の流れを聞いていたのと
最終見積もりの話になっていたので
真剣な段階であったのです
隣で同じように聞いていた家内は
いつものごとくニコニコ笑っているだけで
決してこんな時は自分の意見などを言わず
業者さんの目を見ながら
「どうぞ、どうぞよろしくお願い致します！」
頭を下げるだけ下げるのだ
あまりにニコニコしているので
業者さんも薄気味悪いのか？
最後は大幅な値引きを切り出すという奇跡が起こり
最初の値段の半額近くになったのです
二人して
「ありがとうございます！！！」
参ったなぁ。。
みたいな顔はされたのですが
とても気持ち良い作業になりそうと言われました
その話がほぼ終わった頃に
あの音楽と共に東側の角から疾風のごとく
豆腐屋さんの車が目の前を通ったのです
「ああ！！！お父さん！！！豆腐屋さん！！！」
以前にも書いたのですが
この豆腐屋さん
売る気がさらさらないのか定かではないですが
音楽だけを流してこの住宅街を走り抜けるのです
その現れ方は多岐に渡り
朝であったり夕方であったりするのですが
一度たりともその姿は見たことがないのです
音楽が鳴ったら急いで部屋を出て
その姿を追うのですが
音楽だけが薄くなっていく残音を
聞くばかりなのです
噂では相当美味しいと聞いているので
一度は口にしたいのですが
一度たりともお目にかかったことがないのです
しかしその時がやってきた！！
目の前をこの静かな住宅街には似合わないスピードで
目の前を通り過ぎようとしたので家内に
「おおお！！豆腐屋！！！捕まえろ！！！」
二人のやりとりにキョトンとした顔の業者さんに
早口で私が説明している隣で
家内は過ぎ去っていく
豆腐屋さんに向かい大手を振り振り
「豆腐屋さん！！！豆腐屋さん！！
待って！！待って！！」
しかし気がつかないのか
さらに逃げるようにスピードが加速していくのです
「待って！！待って！！豆腐屋さん！！！
こっち！！こっち！！！」
豆腐屋さんを熱望している
私たちの存在に気づいてもらおうと
さらに家内は大きく手を振り
今度は全力ダッシュで追いかけながら
「豆腐屋さん！！！豆腐屋さん！！！」
近所の方が見たら
いったい何事？があったのかと思うほど
家内の声はソプラノで高い！！
しかしその姿をあざわらうかのように
姿が見えなくなり、今回も残念ながら
お豆腐を買うことが出来なかったのです
「なんで逃げるんやろね（笑）」
ゼイゼイ言いながら私の元に帰って来た家内に
業者さんが一言
「そんなにお豆腐食べたいんですか？」
そうじゃない！！！
頼むから一度見たいだけなのだ！！
そのお豆腐を！！
豆腐屋逃げすぎ！！
そしてダッシュ悲しすぎ。。
最後までご愛読ありがとうございます
と、ブログを書いている時！
またまたあの音楽が！！！
昨年は季節ハズレの「背比べ」
今年は何故か「お正月」
って。。 今は真夏じゃ！！
「早くこいこいお正月♫♫
もういくつ寝るとー♬」
ええい！
気になる！
今日こそ捕まえたい！！！
絶対無理そ。。（笑）
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Posted at 09:39