【トリプルにお願い】
「アイス食べたーい！」
「お父さん
あんまり甘いのん食べない方が良いんじゃない？」
「お母さんいらんの？」
「普通にいります（笑）
じゃぁサーティワンやね」
還暦前の夫婦だというのに
昔からのアイス好は変わらないどころか
家内に至ってはさらに拍車がかかっているような
状況な訳でございます
結婚生活にはこのように
食の好みが一致するのも
案外大切なことだと思うのであります
ほとんどの好みが似通っているのは
家内は10代の頃から同じ食を
私と過ごしてきた環境なので
似るのはむしろ当然なことだと思うのです
しかしである！！
家内のアイスクリーム好きは
最近特に異常性を極めているのであります
というのもサーティワンはもちろんのこと
ハーゲンダッツアイスのアイスクリームを
次男が帰省した時に超爆買い！したので
コンビニの店員が二度見したくらいで
家内の好きなハーゲンダッツアイスを探しに
コンビニを４件も深夜に走らせられたのです
満足そうにコンビニの袋を抱えた息子に
「いったい幾つ買ったの？」
「うん。あるだけ（笑）」
そのハーゲンダッツを恐ろしいスピードで食べきり
予想通り私にハーゲンダッツが回ることなく
(あくまでも私の健康を考えてのことだそうです)
ひとり満足な
アイスクリーム生活を過ごしていたのです
ところがあれだけ冷凍庫にあったハーゲンダッツが
消えうせてからも家内は
食事の後はアイスクリームありきになっており
そう言って代用の別のアイスを食べている
しかし口が息子のせいで贅沢なことになっているのか？
「やっぱりハーゲンダッツよね。。」
とのたまう。。
息子は哀しいくらい家内には抜群に甘いのだ！！
「母さん、何が欲しい？
何でも買ったげるよ
ハーゲンダッツ？アイスが欲しいの？」
と言って甘やかすのです
そのハーゲンダッツがなくなり
代用アイスに飽きて
本日サーティワンにやってきたのが
一連の流れなのであります
しかしながら明る過ぎる店員がどうも苦手なので
家内の後ろをついて見ていると
「お父さんどれにする？
一個でいいよね？
カップがいい？コーンがいいの？」
そんな大きな声で聞くな！！
店員さんが聞いとるやないか！！
耳元でこそっと言え！！！
「じゃこれで。コーヒーのん」
「このコーヒーのんで良いの？
この黄紫の色のん美味しそうよ！」
「コーヒーじゃ」
とにかく声がデカイのです！！
もうこれで私の用事は済んだ。。
車に戻っていたら
家内が運んでくるのを待つだけなのだ
早くこの場から逃げたい！！
とにかくこの場所が似合わない！！
シラっとこの場から立ち去ろうと
入り口付近まで行ったら
家内がわざわざ私を呼び止め
「お父さん！！
カップとコーン！どっちにする？」
「どっちでもええわ」
「えっ？えっ？
なんて聞こえへんよ？カップなの？」
そのやり取りを行列の中から
女子高生や赤ちゃんを連れた若いママが
聞いているのです
「コーンや！」
「ふーんコーンなんや。。
いつもカップやのに。。」
「コーンや！」
空気を読め！！
どっちでもええんじゃ！！
早く逃げたいのだ！！
ところがである！！
もう一歩歩くと外に出れるタイミングだったのに
家内が
「お父さん！
２個頼んだら３個もらえるみたいよ
トリプル！！これにするね！」
トリプル。。。
こちらは一個なのにトリプル。。。
結果
「あー美味しい。。サーティワン。。
それもトリプル。。。 大満足。。」
その顔を見ると私の一個のアイスまで
食べさせてあげたい気持ちになったのです
と言いたいところですが
あまりにもそれは哀し過ぎるので
一個のアイスを死守しようとしたのですが
急にスプーンで私のアイスを食べて
「まあまあやね」
どうしてこんなアイスおばけになったのだろうか？
こうなりゃ太れ！哀しいくらい太れ！
トリプルのトリプルくらい食べるのだ！！
最後までご愛読ありがとうございます
こんど私もトリプルいってみようか？
60前のじいさんがトリプル？
言いにくいなぁ。。
そうだ！
孫が帰ってきたら買ってもらおう！
「じいじ、どのトリプル？」
静かに聞いてね。くれぐれも。。
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Posted at 09:39