【水鉄砲】
「じゃぁ宜しく(笑)」
裸のさくらを置いて
娘が笑いながら出ていく
先にいっぺいといぶきに
集中的に水鉄砲を浴び
「うぉおおおおお!!!。。助けて。。」
と浴槽で倒れそして沈む。。
これを幾度繰り返しただろうか?
それに飽きると、いぶきは
「ね、ね。じいじ。何秒潜れるか測って!」
と、意味のない潜水を繰り返す
「1。。2。。3。。」
と数えていた私の口を目掛けていっぺいが
自分の腕くらいある大きな水鉄砲を浴びせる。。
息が出来なくなり苦しい顔をすると
「キャキャキャ!!」
と笑う。。
それでもなんとか身体を洗い終え10を数え
お風呂を上がらそうとするタイミングで
さくらが娘に連れられてやってきたのだ。。
すでにのぼせそうになっている私に容赦なく
「はい。おとう。宜しくね」
その時、すでにさくらは
浴槽に浮かぶ水鉄砲を手にしていた。。
「お。さくらもじいじとお風呂入る。。」
と言ったそのタイミングで
さくら。 君までもか?
と無言で私に向かって水鉄砲を浴びせる。。
「助けて!!」
と言うとさらにヒートアップし
水圧の勢いままプシュプシュしてくる。。
それも何故か私の開いた口の中を
集中攻撃してくるのである
身体を揺らしゲラゲラ笑いながら
こんな小さな身体なのに
しっかりと水鉄砲を抱え
渾身の力で水鉄砲をするのです
すると水鉄砲の中の水が無くなると
それはそれは本当に困ったような顔をして
「じいじ、お水ないよ。ね。入れて。」
と 頼まれるので
湯船にぶくぶくと入れ水を補充し
「はいどうぞ」と渡すと丁寧に
「はい、じいじ。ありがとう」
と渾身のぺこりと頭を下げる。。
このあたりは娘に躾られてるな。。
と感心させられたのも束の間。。
また小さな巨人のごとく大きな水鉄砲を抱え
私の口の中目掛けプシュプシュしてくる。。
ゲラゲラゲラゲラと笑う。
そして水鉄砲。。
その繰り返しに今度は飽きたのか?
水鉄砲をパッと離し
「じいじ。もうおしまい。ね。」
はぁぁあああああああ???
まるで私が遊ばれていたかのような結末になり
一通りお風呂を終えると
脱衣所近くで待機していた娘に
ヒョいとバトンタッチをすると
娘がさくらの身体を拭きながら
「じいじと入ったん。そうなん。そうなん。
お利口やったね、さくら。 よく頑張ったね」
さくらの濡れた頭を撫で褒めているのだろう
「頑張ったんこっちや(笑)」
と思いながらも
その声をやっと静かにひとりになれたと
身体を洗いながら聞き流し
戦果の後の置き去りにされた「水鉄砲」を
そっと掬い上げ浴槽の上の隅に戻すと
自動運転のセンサーがそのタイミングで
「チラチラチーン♬お風呂が沸きました」
はぁぁあああああ?
湧いてなかったんか!!!?
まぁいいや。。
明日も頑張ろうっと。。
最後までご愛読ありがとうございます
わたくしプールでも水鉄砲を
さらに激しく浴びていること
追記させていただきます
合掌。。
Posted at 09:39