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いかなご解禁  [2022年03月02日]
【いかなご解禁】
 
 
昨日、3月1日火曜日
 
一応ベスカ神戸の定休日に
 
朝からテレビで痛ましい戦争のニュースを
 
食い入るように見ながら
 
 
「絶対に許せない!」
 
 
「〇ね!プー〇ん!」
 
 
「あー可哀想。。」
 
 
「なんでこんなことするん?」
 
 
「もー腹立つ!」
 
 
もっとたくさんのことを書きたいのですが
 
ぐっと心に止めるとして。。
 
 
「これからなんでも値上がり
 
 間違いないよね?」
 
 
きっとそうなるに違いないと
 
2人で近くの激安スーパー
 
「RAMU」に買い出しに行ったのです
 
 
平日の午前10時頃だというのに
 
車を止めようとすると
 
入り口付近にかなりの行列が!!
 
 
「お父さん、めっちゃ並んでるよ!」
 
 
「いかなご」先頭。。って書いてある」
 
 
「あーそうか!今日が解禁日なんやわ」
 
 
春の風物詩「いかなご漁」の解禁日
 
 
兵庫県にお住まいの方なら
 
必ず目にしたことがある行列で
 
今は「くぎ煮」を炊く方が減ったとはいえ
 
やはりおふくろの味の定番として
 
飛ぶように売れていくのです
 
 
昔なら「もういらん。。」と思うくらい
 
母親は「いかなごくぎ煮」を炊きに炊き
 
近所はもちろんのこと
 
遠く離れた親戚にも配っていたのです
 
 
なので「いかなご解禁」になると
 
飴のような甘い香りが
 
一日中家の中に溢れていて
 
何日経っても消えないくらいで
 
ご近所さんも含め下町で
 
「くぎ煮」を炊かない家が
 
ないんじゃないか?と思うほど
 
それは街中で「くぎ煮」の匂いが
 
充満していたのです
 
 
またその上
 
強烈に近所付き合いが多かった私の母親は
 
その時期になると
 
冷蔵庫がパンパンになるほど
 
あらゆる方から「くぎ煮」をもらい
 
 
 
それを消化するまで
 
毎日毎日「くぎ煮弁当」という
 
ご飯の上に一面に「くぎ煮」が敷き詰められ
 
おかずは甘い卵焼き
 
(今思えば恐ろしく甘かった) のみ
 
翌日は赤いソーセージに「くぎ煮」
 
このローテーションが
 
「くぎ煮」がなくなるまで続く
 
という日々になる訳でございます
 
 
なので私自身は大人になった時には
 
好んで「くぎ煮」を食べたいとは
 
思わなかったのですが
 
歳のせいか最近では
 
「くぎ煮」を食べたくなることもあるのです
 
 
あの頃みたく「いかなご解禁日」の翌日
 
亡父曰く
 
 
「また誰か来たで。どうせいかなごやろ(笑)」
 
 
それに反し母親は
 
嬉しそうに玄関に飛んで走りこれまた予想通りの
 
 
「ちょっと、いかなご炊いたから 食べてー」
 
 
その都度、母親が長い世間話を始める
 
 
いかなごの話からかなり外れた話になり
 
最後は
 
 
「この子、ゴンタですんませんね(笑)」
 
 
と、私の頭をぐるぐる触る
 
そんなことを繰り返す
 
 
「いかなご解禁日」の翌日
 
あれはあれで良かったと想い出す
 
 
あんな繋がりや優しさがあれば
 
戦争になんてならないとも思う
 
それじゃいけないのだろうか?
 
 
最後までご愛読ありがとうございます
 
 
「くぎ煮弁当作ったろか?」
 
 
家内が言っております
 
いや、遠慮しておきます
 
お許しください
              
 
 
 
  
 
 
                      

 

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Posted at 09:39