【疾走豆腐屋】
「柱のきーずはおととしの♬♬」
「急げ！！豆腐屋さん来た！！」
「間に合うかな？」
家内が裏玄関から急いで表に出た時には
もうその姿はもちろん
あの音色すらも遠ざかっていったのです
「やっぱり今日も買えなかったね。。」
一年前くらいから、この平成の時代に
まさか豆腐を売りに来てるなど
思いもしなかったのです
「柱のきーずはお♬」
あのメロディーはいったいなんだろう？
夕方とは限らず、日によっては
朝方に流れることもあるあのメロディーが
お豆腐だとわかったのは
ご近所さんから教えてもらったのです
「お豆腐売ってる
でもなかなか出会えないけどね」
聞くとその移動お豆腐屋さん
モーレツ？なスピードで住宅街を疾走しながら
「柱のきーずは♬」と流し
よほどのタイミングでないと止まることなく
そのまま我が住宅街から姿を消すのです
過去に10回以上、あのメロディーが流れたら
どうしてもあのお豆腐が食べてみたい！
噂によると頬が溶けるくらいの美味なのだそうです
食べたい！食べたい！
見ることもままならぬあのお豆腐屋さんが
私の頭の中を駆け巡るのです
いったいどんな人が運転してるのだろう？
年齢はいくつくらいか？
何故「背くらべ」の音楽にしているのか？
どうして逃げるように
スピードを上げて走っているのか？
売る気がないのか？
聞きたいことがやまほどあるのです
今度はいつ来るのだろうか？
いつか絶対にそのお豆腐屋さん
そのお豆腐に会えることを夢見て。。
最後までご愛読ありがとうございます
あー食べたい！！
誰か止めて！ あの疾走お豆腐屋さん！
真剣にご結婚をお考えの貴方
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Posted at 09:39