”来来亭に感謝！”
「もう、我慢できひん！行って来る！」
深夜12時。。
飛び起きた私に
「あービックリした！
どうしたん？何処行くの？」
「ラーメン食べて来る！」
と言って着替え始めた私を
ぼんやり見ていた家内が
ガバッと眼を覚まし
「やめとき！アカン！アカン！
身体に悪いって！お父さん！」
その言葉を振り切り
階下に降りて行き
「よっしゃー来来亭じゃ！」
と一人深夜に車を走らせながら。。
「アホやなぁ。。俺は。。」 と独り言。。
昨夜 「ちょっとダイエットする！」と言って
夕飯を 少なめにしたのがいけなかった。。
深夜番組で、またまた
ラーメンを食べている姿を見た時
「動くなよ。。落ち着け。。落ち着け。。」
と念じながら 眼を閉じたものの
なかなか寝付けない。。
「アカン。。卑しい。。情け無い。。」
と思いながらも
気がつけば、走り出していたのです。。
「もう最低！！」
と家内の声が
閉めたドアの向こうから聞こえた様な。。
「そんなもん知るか！！」
と気持ちはすでに
「来来亭」に向かっていたのだ。。
1000円札を一枚握りしめ
私は今まさに
「来来亭」のドアを開けようとしている。。
「深夜なのに多い。。」
と思いながら
「いらっしゃいませ！！
カウンターでよろしいか？」
「はい。。」
元気だ。。
深夜に聞くにはあまりにもの元気さだ。。
「ご注文お決まりですか？」
「はい。ラーメン。。」
「はいよ！ラーメン一丁！！麺は？」
「固めで。。あと。普通で。。」
「はいよ！麺は固め！あと普通！！！」
声が。。声が。。元気だ。。
隣でアベックが、なんか口喧嘩をしている。。
「あちゃー。。何でここに座ってしもたか。。」
と 思いながら。。
ラーメンの出来上がりを待っていると
LINEが入って来た。。
家内からである。。
「もう最低！我慢しろ！バーカ！」
寝てればいいのに。。
わざわざ丁寧に「バーカ」だと。。
「うるさい！」と返すと
家内の性格からして、ここは面倒くさい。。
ならば、少し、ここは下手に出て
「すまん。すまん。お腹空いてな。。」
とLINEを返すと
「私も食べたいから、なんか買ってきて。」
と返ってきた。。
おお。。機嫌が直ってきた。。
良し！ここは家内の好きな
餃子でも買ってかえろう。。
どれどれ、値段は。。
と思いながら、見てみると
「280円！」
よしよし。。
1000円ちょうどしか持って来てないからな。。
と ポッケの中のお金をもう一度確かめて。。
「ラーメンが620円で。。
餃子が280円。。足りる！」
と 思い
「すみません、あのー餃子一人前
持って帰りたいんですが。。」
「はいよ！餃子一人前、お持ち帰り！」
とオーダーしたら、ラーメンが出てきたので
「うっししし。。これこれ。。」
とあっと言う間に平らげたら
餃子がタイミングよく出てきたので
会計しよう。。と思ってレシートを見たら
「1003円！！！」
えっ！！！ 何で？
よくよく見ると、消費税と
なんか箱代をとか言っていたなぁと。。
アカン。。足りひん！！！！
しかし今更。。。
大の大人が
「すみません三円足りないんですう。。」
なんて言える筈もない。。
どうしよう。。
落ち着け。。落ち着け。。
三円が足りないんだ。。
たった三円じゃないか！！
餃子は、完全に箱詰めされている。。
丁寧に袋に入れられている。。
これを戻せば良いんだ！
「すみません。お金足りなくて。。
なんて言える訳ない。。」
もう出来上がってるのだ！
落ち着け。。落ち着け。。
あ！そうや！
車の中にある！そんな訳ないか。。
アカンアカン。。ブルブル。。。
家内を呼ぶ！タクシーで来てもらう。。
わざわざ三円のため。。
アカンアカン。。落ち着け。。落ち着け。。
そうだ！取りに帰ろう！！それが良い。。。
でもちょっと待て。。
食い逃げだと思われないか？
初老の親父が怪しい動きをしていると
思われていないか？
何だ！！そうだ！！ もうイイ！！
正直に言おう！！
それも出来るだけ爽やかにだ！！
そう明るくだ！！
「あはははあはは。。参ったなぁ。
1000円ちょうどしか持って来て無くてね
ほら、この通り」
と手の中にある1000円札を見せると
店員さんが二、三人集まってきた。。
「三円足りないんですか。
いえいえ大丈夫です！お任せ下さい！
三円は結構です！」
すると店長らしき人が更に大きな声で
店中に聞こえるかの様に
「三円足りない！！大丈夫！！」
みんな見てる。。。
隣のアベックも。。
後ろの家族連れも。。
もう絶望的恥ずかしさ。。。
「えっ？足りないから。。
餃子はお返ししようかと。。」
「大丈夫です！お任せ下さい！」
「いやいや。それは困る。。」
と言うと
「本当に大丈夫です！！（笑）」
と言われたので ここは好意に甘え
明日持って来ます！と
何度も頭を下げ帰って来たのでした。。
家内に事の一部始終を話すと
「はははハハハハハ！！！」
ここまで可笑しいものなのかと笑われ。。
「心臓止まるか思った。。」
と己の器の小ささを露呈する羽目に。。
「だから行かんかったらイイのに（笑）」
「まぁ、でも助かったわ。。
恥ずかしい。。恥ずかしい。。」
「明日、朝一番に返しに行きなさいね。」
と怒られ。。まぁもう寝るか。。
と何だかなぁ。。と布団を被ると
チョコが私の布団に入って来て。。
私の手を舐め出した。。
それは、さも
「お父さん。。僕にはわかるよ。。」
みたく。。
「お前は。。なぐさめてくれるんか。。」
まぁとにかく、本日は
来来亭のご厚意に感謝でありました！！
最後までご愛読ありがとうございます。
それにしても、美味しかったなぁ。。
又行こ。。1003円持って。。
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Posted at 09:39