【さくらトンネル】
摩耶ケーブル下に広がる
通称「さくらトンネル」が
今年も満開になった
ゆっくりと車に乗ったまま降りて行くと
さくらの花に覆われたみたいな
幻想的な時間になる
「今年も綺麗ね。」
もう一周と思い来た道を戻ると
家内が幼い頃通った幼稚園が未だ残っている
「もっと大きな幼稚園に
感じたんやけどなぁ。。」
毎年同じことを言っていると思っても
私は言わないようにしている
結婚以来ずっとこのさくらトンネルを
毎年楽しみに見てきたのですが
実は一度だけ行かなかった年があるのです
それはちょうど三年前
先代のワンコ「チョコ」が亡くなる直前
「もうきっと無理だと思います」
動物病院の主治医の先生に言われた時
私たち夫婦はそれならば
チョコと毎年行った
あのさくらトンネルを見せてあげたい
心臓が悪かったので
毎年春になるとあのさくらトンネルの下で
「チョコ。今年も満開やな
まだまだ長生き出来るわ」
と、言ってきたので
急いで、車に乗せ一時間近くはかかるだろう
あのさくらトンネルに向かったのです
しかし家内に抱かれたまま
苦しそうにしているチョコの身体を
運転席からずっと撫でていたら
ものの10分もしない間に絶命したのです
「チョコ!!チョコ!!!!
死なんといて!!チョコ!!!」
脇に車を止めて夫婦で泣き叫び
現実を受け止められないまま
チョコの亡骸を抱いていたのです
あの日以来
さくらを見るのが嫌いになったのですが
翌年から
チョコの分身とも思える「そら」に出会い
チョコとの思い出も
全て良いように思えることが出来るのですが
それでもあのさくらトンネルを通過して行く時
少し涙が出てしまうのです
最後までご愛読ありがとうございます
しかしチョコが亡くなって
もう三年になるのか。。
Posted at 09:39