【鳥の羽根】
「これで以上です
ここにサインいただきますと終了です」
次男が初めて車を買おうか考えている
と相談を受けたのは今年の春頃の事だった
会社勤めも何年になるのだろう？
大学出てから12年くらいになるか？
外資のコンサルとして
途中ハーバード大に留学をし
ここまで親が言うのも何ですが
本当に真面目に頑張ってきたと思うのです
子供も2人授かり
おおよそ外資とは思えない堅実な暮らしぶりに
何が彼をそこまでさせるのか？
そんなことを考えたこともあるのです
とにかく物欲というものがない
家族が増えた今も車のひとつも持たず
移動は全て電車でしたが
このたび車を買うことを決め
どうせ買うなら
私の友人の神戸のディラーから買いたいと
相談があったのです
小さなワンボックスカーを希望
ということだったので
こちらでオススメすると
「じゃぁそれで。」
次男は私のオススメなら
ほぼその通りと思うのか迷いがないのです
無事、神戸にて先日納車を済ませ
(納車には娘も何故か参加
晴れ姿を見たいと思っている)
慣らし運転を2日くらいした時の夜、次男が
「何か買っといたら良いと思うのある？」
と聞かれたので
何かを言おうと考えた時頭の中で閃きがあり
「そうやな
あの車をはたく「鳥の羽根」がええんちゃうか？
あれあったらホコリなんか一発で取れるし
何よりマメにやってたら艶が出るで」
「じゃぁそれ買うわ
明日オートバックス連れて行って」
翌日約束通りオートバックスに行き
先に着いた私が店内に入り
「鳥の羽根」を探していると
棚の一番端に5種類くらいの羽根を見つけたのです
値段を見ると1200円、1580円、
1980円 3980円、4980円
そのひとつひとつを確認していると
息子がやってきて
「あ。お父さんこれね。どれが良いの？」
「これめっちゃええわ
長いし柔らかいし、これええで」
「ふーん、じゃぁそれ。」
値段を聞くことも見ることもなくです
私がオススメしたのは、まあどうせならと
4980円の鳥の羽根のはず？だったのです
そのほかにもオートバックスにて
欲しいものがあると
何点かを含めレジに精算に行ったので
車の中で先に待っていたら
オートバックスの入口付近で
家内と息子が大きな声で笑っているのです
私の車に近づいた時には
さらにその笑い声はヒートアップしていて
「どうしたん？」
「それがさぁ。。（笑）
あの鳥の羽根13,000円もしたらしいよ」
「13,000円！！」
「4980円ちゃうんか？」
「多分お父さんちゃんと確かめてなかったんやね
最高級羽根らしいけど（笑）
なんぼなんでも羽根高くない？」
「ホンマかいな！
それやったら返品してもろたらええやん
なんぼなんでも鳥の羽根13,000円は高いで
こんなん誰も買わへんで（笑）
オートバックスびっくりしとうで
あんなん買いはったわ。。って（笑）」
「レジのところであれ？って思わんかったん？」
「うん。何か高いなぁ。とは思ったけど
まそんなもんかなとも。。」
結果
「最高級オーストリッチフロスフェザー日本製
13,000円」を買ってしまったのです
その質感や滑らかさ
ホコリを一瞬でぬぐいさる代物は
やはりと思ったのです
当の本人も
「何か買って良かったわ」
とご機嫌な様子。。
「お父さんオススメやしこれで良いよ、僕は全然」
車はオススメ羽根もオススメ
全てが素直過ぎて
何か責任をいろいろ感じるのだけど
子供が親を一点の雲りもなく信じてくれるのは
親として本当に嬉しいことなのです
しかしあの鳥の羽根はとても長く気品あり
また滑るような羽根の感触は
使うと何ごとにも変えがたく
ワンボックスカーには
少し不釣り合いにも思えるのですが
初めて大きな買い物をした息子の
これからの車生活
あの羽根のように自由にいろんな場所に行き
たくさんの景色
そして出会いがあればと思うのです
何とその車を紹介してくれたお礼にと
わたくし鳥の羽根よりさらに高い
「AirPods Pro」買っていただきました
ラッキー過ぎる！！
最後までご愛読ありがとうございました
東京で白いワンボックスカーにて
長いオーストリッチの高級羽根で
パタパタはたいているのは
私の息子の可能性が高いと思うのです
もし見かけるようなことあれば
優しい声掛けを切にお願い致します
真剣にご結婚をお考えの貴方
おせっかいな私達にお任せ下さい！
心よりお待ちしております。
Posted at 09:39