【オヤジの命日】
「早いね。もう2年になるね
こんな時、おじいちゃん生きてたら
何て言うやろね」
あのオヤジが死んで2年になるこの日
庭にツツジの花が鮮やかに咲いていた
「あれ。
いつの間にこんなに綺麗に咲いたんやろ?」
「えっ。お父さん。気がつかんかったん?
ちょっと前から咲いてたよ」
「そうなんや。全然知らんかったわ」
窓を開けスリッパを履いて
ゆっくりとそのツツジに鼻をつけてみた
甘くそして少し苦い香りがした
「2年か。。」
あっという間にこの2年が過ぎた
家族だけと我が家で家族葬をしたあの日
全てを終えた時
あまりに青く晴れ上がった空が
「昭二、ありがとな」
改まってそんなことを
絶対に言わないであろうあのオヤジが
あの空から言ってくれたような気がした
ただただどうしょうもないわがままで勝手で
母親を困らせたあのオヤジに
何故か褒められたい
それが私の活力になっていたのを知ったのが
亡くなってからそんな時間がかからなかった
どんな時でも
「大丈夫や!大丈夫!」
と、豪快に笑いながら言われると
何故か大丈夫なような気がして
同じようなことを子供に言って育てた自分がいた
しかし全然大丈夫でないオヤジを
憎んだこともあったけど
もし今元気で生きていたら
あのオヤジなら
このコロナ禍をなんて言うだろうか?
「大丈夫や!
コロナ?そんなもん大丈夫に決まっとうやろ!
何怖がっとんや?大丈夫や!」
きっとそう言うに違いない
それを聞いた母親が
嬉しそうな顔をするのが浮かぶ。。
しかし少し時間を開け
私にこっそり電話してきて独特のダミ声で
母親に聞かれないように静かに笑いながら
「昭二、マスク。よーさん頼むで(笑)」
きっと言う
それを妄想しただけで笑えた
オヤジ
実はそれだけで本当にありがたいのですよ
最後までご愛読ありがとうございます
大丈夫な気がしてきたわ
ありがとな。オヤジ
Posted at 09:39