【還暦のお祝い③】
父親には珍しくおとなしめの背広で
(身体が大きかったので変に似合っていた
また私と違ってかなりのお洒落で
服装には気を使っていた)
それと母親も髪の毛が
いったいどうなっているのか？というような
髪の毛三倍になるくらいのパーマネント
(描写が古い。。) をかけ
見たことないような口紅と
原型がわからないようなお化粧をして
萬寿殿に向かったのです
その車の中で私は一言も発せず
ずうっとこれから待ち受ける緊張の極限に
頭の中で
「どうか修羅場になりませんように。。」
と願っていたのです
待ち合わせの時間
先方より早くに着いた私たちに
遅れること3分くらいで
これから起こる現象を全く予想もしてない
これから花嫁になる当時19歳の家内が
先頭で満面の笑顔でやってきたのです
その後ろで、少し緊張した義父と
これまたパーマネント二倍？
少し抑え美味の義母がやってきたのです
しかしその義父の姿を見てビックリ！！
こんなに真面目そうな背広(描写が古い)の
着こなしをする人がいるのか？？！！
その上、とても穏やかでニコニコ笑いながら
頭を下げ謙虚で誠実
我が父親とあまりにも正反対な父親像を見て
本当に本当に驚いたのです
それからはほとんど記憶にないのは
あまりの緊張で
萬寿殿の味など一切思い出せないのです
ただあの父親が俄然張り切り
その場を笑いの渦に巻き込み
それをきっと我慢してニコニコ肯きながら
時に大きく笑い聞いていた義父が
「どうか福山さん、娘をよろしくお願いします」
と年下のあの父親に頭を下げ
(断腸の想いだったのは今では痛いほどわかる)
それにあの父親が珍しく頭を下げ
「こちらこそ宜しく」
と神妙な顔で言った時
慌てた私の母親が首を垂れ
その三倍パーマネントがぐらっと前に揺れた。。
それがおかしかった。。
そののちからは緊張が取れた記憶があるのです
そんな私たちですが
先日、親孝行な子供達が私の還暦を祝ってくれた
絶対に泣くまい！と思っていたのですが
その場に絶対に一番に来たかっただろう娘が
「絶対におとう、ちゃんちゃんこ喜ぶで」
と 10年ほど前にふと私が娘に言った
「還暦なったら赤いちゃんちゃんこ着て
みんなに祝ってもらえるそんな60歳になりたい」
それを覚えていたらしく
真面目な長男、次男に
「絶対赤いちゃんちゃんこ！」
と他のプレゼントプランを放棄と言いくるめ
その真紅のちゃんちゃんこを見た時
何故か抑えていた涙が止まらなくなり
その姿を見た家内も泣き笑い。。
それを動画で撮られた翌日
お礼をと娘に電話をすると
「してやったりやろ！（笑）オモろーい！！」
そんな還暦のお祝いでございました
長文にお付き合いいただき
ありがとうございました
真剣にご結婚をお考えの貴方
おせっかいな私達にお任せ下さい。
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Posted at 09:39