【お墓参り】
「六人目の孫が出来たで
Nの子でな元気な女の子やったわ」
「そうやねんで
おじいちゃん、おばあちゃん
びっくりするでしょ（笑）」
杓子の水を墓石にかけながら
家内が語りかけるように
そんな大きな声を出さなくとも。。
と思うのですが毎回「ちゃんと聞こえるように」
こと細かく今の我が家の現状を伝えるのです
５月に父が他界し
６年前に今か今かと父を待っていただろう
母親が待つこのお墓に先日行って参りました
車で一時間程度かかるこのお墓に来たのは
先日初めて父が亡くなってから
夢に出てきたので慌てて行って来たのです
「あ！生きとったんか！」
「何言ってんねん（笑）生きとるわ！」
「えっ！オカンも生きとるやないか！」
「オモロイこというなお前は（笑）」
「いやいや死んだやないか！二人とも」
何度も目を見開き見るのですが
ゲラゲラ笑いながら
あの父親と母親がそこにいるのです
「アホなこというとらんと早よ頼み何するんや？
お母ちゃんプリンネージュでお父ちゃん冷コーや」
そう言われて周りを見ると
あの名喫茶「コトブキ」の店内なのです
そこには慌ただしく店内を動く
蝶ネクタイをした店長らしき店員さんが
ウエイトレスさんに
「それ１２番や！」
「それ１０番！」
「はいらっしゃい！」
怒号のような声が響いているのです
もちろんお店の中には人！人！人！
昭和な店に溢れかえる
それぞれの人の笑い声や子供の声の中から
その蝶ネクタイの店長が
私たちのテーブルに向かいやって来たのです
「何しまひょ？」
目の前があまりの驚きの連続で
あの父親と母親が生きていただけで
腰が抜けそうになっていたのに
自分が子供になっていることの恐ろしさと
完全にタイムスリップした昭和の風景のリアルさ
そして早く注文しなければあの怖い父親が
「早よ頼め！もう行くぞ！」
と、言い出したら困るので、慌てて
「ボク、クリームソーダ」
と、言うとその蝶ネクタイ店長
「ボク、シャレてまんなクリソでっか？（笑）」
「この子マセてるやろ（笑）」
そう母親が言ったら
父親と蝶ネクタイ店長が店内に響き渡るような声で
「がハハハハハ！！！（笑）」
その声が恥ずかしくて恥ずかしくて
早くその笑い声が止まるように
下を向いて足元を見ているときに
パッと目が覚めたのです
汗をかなりかいて何が起こったのか
ゆっくり反芻しながら
先ほど見た夢を追っていたのです
「何や夢か。。」
しかしあのデリカシーのない父親の笑い声や
それを見てさらに笑いに拍車をかけ
笑い転げる母親の声が
耳の奥底で鳴るように響いていたのです
なので不気味なので
そろそろお墓参りに行っとことなったのです
「おじいちゃん、おばあちゃん
昭二頑張ってるで！」
家内がお墓に向かって
恥ずかしくなるようなことを言ってました
最後までご愛読ありがとうございます
「クリソ」じゃなかったら
どんな夢になってたのだろうか？
真剣にご結婚をお考えの貴方
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Posted at 09:39