【永遠にタケノコ】
「ピンポーン！ピンポーン！」
時計を見ると、朝の７時４５分。。
もちろん起きてはいるけれど
「いったい誰？なんかあったか？」
とモニターを覗きこむと
満面笑顔のご近所のFさん。。
「あ。おはようございます。
ちょっと待って下さい。」
慌てて出ると、声のトーンが高い！高い！
「お父さん寝てたぁあぁあ？おはようさん！
あのな これな、タケノコ好きかぁあ？」
Fさん。。お年の方は７０歳
ご近所の世話役みたいな人で
何故か、私たち夫婦におすそ分けを
よく持って来てくれるのです。
それも、ご夫婦ともに
すこぶる元気なのであります。
その上。声が抜群に大きいのです。
その声は、早朝の住宅街に
似つかわしくないハイトーンボイスで
目覚めの私には、多少辛いものがあるのです。
しかし、朝早くから来て
私たちにタケノコを持って来てくれたので
「タケノコですか？はい。ありがとうございます！」
と、なるだけオーバーアクションにてお応えすると
「あんた。タケノコ好きなんかいな！
タケノコ、これな 炊いて持って来てるから
そのまま食べれるで。ほれ。」
渡された、タケノコを見てびっくり！！
「これ全部ですか？
こんなにたくさん？２人ですよ、僕ら。（笑）」
「なに言うてんの？タケノコ美味しいで。
２人でいっぱい食べ（笑）」
そう言って
「ほんじゃね。奥さんによろしく。
タケノコ御飯。奥さんに してもらい」
朝早くから、今晩の献立までを決めていただき。。
改めて、見てみると
こんもりと入った袋に
タケノコ。。タケノコ。。タケノコ。。
何の騒ぎ？かと
洗濯物を干していた家内が降りてきて
タケノコを見せてFさん来襲の話をすると
ゲラゲラ笑いだし
「お父さん、ホンマ近所の人から、よー貰うね（笑）
この前はホタルイカ。その前は葡萄。その前は。
Fさんだけちゃうしね。 なんか、ありがたいね。
でも、このタケノコ美味しそ！！」
「こんなタケノコよーさん食べれんで。俺。」
「大丈夫、大丈夫。任せて。」
結果、その日の夕飯の献立は
「タケノコ御飯」「タケノコの煮物」「刺身タケノコ」
「タケノコの天ぷら」「タケノコの佃煮」
せめて、何か別の食材が。。
と淡い期待をした私がいけなかった。。
目の前に広がる、タケノコの展覧会に
「全部タケノコやんな。。？」
と、取りあえず確認すると
「そーです！！オールタケノコでーす！」
と悪びれることなく、満面の笑顔で
「さーお食べ。いざタケノコを！」
そんな顔をしていた。。
ところが、これまた全てが
悔しいかな美味しいのです。
最後は、少しタケノコに飽きた？のですが
何とかタケノコのフルコースを平らげたのです。
「でも本当ありがたいね。ご近所さん。」
そう言いながら片づけを始めたのです。
そして、その日の深夜
夕飯にパンチがなかったので
最近卑しいのか お腹が空いて来たので
家内に 夜食？を頼むと出てきたのが
「タケノコおにぎり」が、それもふたつ！！
さすがに
「何でタケノコおにぎりやねん！」
と言うと
「お父さん、実はまだタケノコ余ってるねんで。（笑）」
と言われたのです。
「え？まだ残ってんの？永遠にタケノコやんか。。」
「さすがに、辛いね。。」
と、初めてタケノコの怖さを？知った家内
誰か助けて！！なんてね。（笑）
最後までご愛読ありがとうございます。
今迄、最強は
見たこともないほど大きいカボチャでした。。
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Posted at 09:39