【オサムちゃんの初恋、そして結末。】
順番通り、メグちゃんに渡すと
翌日、トモちゃんから私は呼び出され
「ごめん。福山君。無理。
メグ怖がってる。オサム君やりすぎ。」
と、この話なかったことにして欲しい
と頼まれたのです。
「そんなこと言わんと。。」
と頼んだのですが
完全にドン引きな顔をされたので
ひとり残された私は
「どうしょう。。」と悩んだ末に
オサムちゃんに
「あのさ。中学生が交換日記したらアカンって
メグちゃん、お母さんに怒られたんやって。。」
と 苦し紛れの嘘を言ったのです。
するとオサムちゃん、私の顔をジッと見て
「わかった。ふっきゃん。ありがとな。。」
と言ったきり
ノートを持って鞄にしまったのです。
どう声をかければ良いのか
わからなかった私は
自分の力のなさに
なんだかとても
悲しい気持ちになったのです。
それから
そのことに一切触れなかった私たちも
中学を卒業し、お互い別の高校に行き
メグちゃんやトモちゃんに
会うことはなかったのです。
オサムちゃんは
27歳くらいの時に結婚したものの
わずか１年くらいで離婚し
ひとり独身で今でも暮らしているのです。
そして、あのメグちゃんは
大学を卒業してすぐ結婚したのですが
子供を産んだ後、離婚し
女手ひとつで子供を育てあげたものの
身体を壊し
48歳という若さで癌になり亡くなったのです。
後でメグちゃんの知り合いから聞いた話ですが
彼女は
「中学生の時が一番楽しかった。。」
と何度も言っていたそうです。
もちろんオサムちゃんのことも
懐かしそうに触れていたと聞きました。
あまりにも悲しい結末になった
オサムちゃんの初恋。。
あの時、もっと私が頑張り
あの初恋を成就させていたら。。
おかしいと思われるかも知れませんが
ひょっとしたら2人は
一緒になるべきだったんじゃないか？
そんなことを、私の心が巡り
後悔することが何十年経った今でもあるのです。
私が今の仕事を
最後のライフワークに選んだひとつの理由に
オサムちゃんやメグちゃんのことも
少なからずあるのです。
「あの時。。頑張ってたら。。」
と思いたくない。。そんな想いが
仲人をやっていてよぎる日があるのです。
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Posted at 09:39