【おバカ電球】
「電球おかしいで。全然点かへん。
何回チコチコなってんねん。」
「買ったばっかりやのに。。」
昨年末
我が家のコタツのある部屋の電球が
あっ消えた！
となったので、近くのホームセンターに
新しい電球を買いに行ったのです。
家に帰って電球をぐるぐる回しながらつけると
「あれっ？なんじゃこりゃ？」
何回スイッチ点灯しても
線香花火の残り火のような
「チコチコ。。パッ。プシュ。。。」
「おい。おかしいでこれ。
もういっぺん点けて。」
「最新のんやから
電気が上手く伝わってないんと
ちゃうやろか？」
「そんなことあんのか？」
二人で顔を合わせ
苦闘すること、約５分。。
「あっ！点いた！」
何度かのトライの上
絞り出すようにおバカ電球。。
ショボショボショボ。。と点灯したのです。
「やっぱり初めは
電気が流れるまでは
時間はかかるねんね。」
「そんなもんか。。」
そんなこと聞いたこともない。。
昭和初期でもあるまいに。。
そんなことを思いながら。。
その日は、まぁなんとか
そのおバカ電球を見上げながら
「頼む消えんといてくれ。。」
そう思った次の日から
毎日、毎日。。
「チコチコ。。チコチコ。。プシュ。。パッ。」
時間にして約５分。。
毎日電気が点灯するのに
何回もトライしなければ
いけない毎日が続いているのです。
「アカンでこれ。毎日やで。
お母さん交換しに行こ。」
「でもなんとか点いてるから
大丈夫ちゃう？」
「まぁそのうち馴染むかもな。」
それからの毎日。。かれこれ1か月近く
「あっ点いた！」と電気が点灯するだけで
2人で拍手？をしなければイケナイくらいの
悪戦苦闘なのであります。
「今日はお父さん点けててね。
ちょっとゴミ捨ててくるから。」
「はいよ。まぁ任せ。」
家内もゴミを捨てに行っている間も
「電気が点いてたらいいのに。。」
そう願いながら、家に帰って来るのです。
そんな悲しい我が家の毎日が続き
「明日交換しに行こうか。」
毎日そんなことを言いながらも
これがまた不思議なもので奇跡的に
3分くらいで点灯する日もあるのです。
「わぁ！お父さん天才！」
電気が早めに点灯しただけで
家内が喜ぶのです。
チョコは、こんなに毎朝
ピコピコしている私たちを
不思議そうな顔をして眺めているのです。
それはそれで楽しいか。。
いやいやそんなことはない！！
「お父さんこれ押し方があるかもよ。」
そう言って、スイッチを押す位置を変えたり
何度も高速で押して点けようとしている家内も
「ホンマつかへん。アカンね。
これ。。おバカ電球やわ。」
そう言った瞬間にパッと！！点灯したら
「やった！！点いた！！」
となると
何故か幸せな気分に二人でなるのです。。
それも今朝などはハイタッチなのです。。
「今日は早めに点いたね。」
当たり前のように電気が点灯。。
それが普通なのに
何故かこのおバカ電球が
最近愛おしくなってきたのです。
「あっ点いた！！」
毎朝我が家では
昭和初期の如く歓声をあげているのです。
おバカは私たちか。。
最後までご愛読ありがとうございます。
それにしても、このおバカ電球。。
手強いですぞ。。
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Posted at 09:39