【クルシミマス（クリスマス）】
「お母さん時間ないで！ケーキも買わんと！！」
「サーティワンが好きよ。ひまりもいぶも。」
娘一家が早くもやって来る。。
それもクリスマスに全ての照準を合わせた娘が
満を持してやってくるのだ。
車で移動距離ざっと600キロを物ともせず
ついそこまで、心の雄叫びが 聞こえてくるような
娘一家が、期待とともにやってくるのだ。
偶然、テレビ局勤務の旦那の休みが取れ
先入りで車で旦那に運転をさせ
一度、週明けには旦那だけを飛行機で戻し
またお正月に旦那だけ
飛行機で帰省させるという荒技を使い
娘がやってくる。。
その力の入れようは半端なく
用意周到に私たちや、旦那の実家にまで
完膚なく手を打っているのだ。。
週末は、私たちが最後の
お見合いラッシュになるのを聞いていて
旦那の実家に有馬温泉をゲット
という離れ業。。
こんな娘の思いのままに
なってはイケナイと思うのですが
家内は完全に
自分を見失うほどになってるのです。
ひまりやいぶを、お見事に使いながら
私たちの心を誘導するのであります。。
「そんなん適当でええって。
何時になるかもわからんし。。」
12時に自分の家を出た娘が到着するのは
たぶん早くとも 夜の８時くらいだろう。。
なんだか中途半端なのです。。
「絶対、お腹空かせて来るよね。。」
「いやぁ。時間が時間やから。。
食べて来るやろ。。」
「お父さん騙されたらアカンよ。
私は絶対何にも食べてないと思うよ。」
結果、家内の予想通り
全く何も食することなく
その600キロの道中を
娘一家はやって来たのです。
何度も、途中経過が入り
「お腹ペコやま。助けてお母さん。。
ケーキ食べたーい！！」
「ひまりに代わるね。
ほら、ひまり！じいじにお腹空いてるって。。」
結果。。。
そのリアリティのある実況中継を聞きながら
仕事を終えた私たちが、西に東に走り回り
クリスマスの用意を重ねていったのです。
「せっかくやから、徹底的にやったろ！」
サンタの帽子や、クラッカーを買いながら。。
自分に問うてみた。。
「アカン。。やってもうてる。。」
「お父さん。。ひどいね。。」
そんな嘲笑を聞き流し
私は夜のクリスマスの街を走って
買い物に向かっていたのだ。。
サンタの帽子を被り
ワムの「ラストクリスマス」を大音量で流し
真っ暗な家で、「わー！！！凄い！！！」
その言葉だけを聞きたいためだけに
夫婦二人で潜むように待っていたのだ。。
そんな用意周到で待っていたにも関わらず
予定より１時間遅く午後９時に
娘たちの声が聞こえて来た時。。
真っ暗な中
急いで、ローソクの火をつけようとしたら
慌てて
ケーキの中にローソクを倒すという情けなさ。。
もちろん、娘一家はそんなことは知らずに
喜びを大爆発させ。。
「すごーい！！！」
夜の遅くまで、クリスマスを久しぶりに我が家で
娘一家と祝うことが出来たのです。
宴？のあと、部屋に入り、寝ようとしたら
家内が、小さな声で
「お父さん本当にありがとう。
ご苦労様でした。
喜んでたね。良かったね。」
「まぁ、お母さんこそな。疲れてないか？」
「うん。大丈夫。。
クリスマスっていうより。
お父さん、 クルシミマスって感じじゃない（笑）」
だって。。
もっと上手く言えないものなのか。。おやすみ。。
最後までご愛読ありがとうございます。
サンタさんがひまいぶにやって来たそうです。
そりゃそうだよね。（笑）
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Posted at 09:39