【ワルツ。そしてジルバ。】
母親が亡くなって3度目のお盆を迎えました。
10年以上寝たきりの苦しかったであろう
辛かったであろう病床から
母親が解放された時
「良かったなオカン。
死ねるなぁこれで。。」
と決して言ってはいけないことを
私は口にしてしまったのです。
それくらい、私は苦しんでいる母親の姿を
見ていられなかったのです。
時折、お見舞いに来てくださる方の
「頑張って下さいね、良い顔色してますね。」
とおっしゃって頂けるのですが
お見舞いから帰られると
「何を頑張んねん。これ以上。なぁオカン。。」
と言うと
お前はオモロイなぁとばかりに
唯一動く右手で、私の頭をなでるのです。
「オカン。もう、よう頑張った頑張った。」
と言うと 聞き取りにくかったのですが
私を手招きするので
「どうしたん?どうしたん?」
と大きな声で聞くと
「おまえも。。が。。ん。。ば。れ。。」
と笑うのです。
そんな母親が亡くなって3度目のお盆
しかし、不思議なもので
母親が亡くなってから
あの病床の姿よりも思い出すのは
本当に元気だった頃の「オカン」しか
思い出さないのです。
毎年、夏になると
超思いつき閃き親父の
「よっしゃぁ!!旅行行くで!用意しろ!」
と海水浴が出来る
白浜や勝浦に出掛けるのです。
それは
一泊なのか二泊なのかも聞かされず。。。
そんな父親にゲラゲラ笑いながらも
黙ってついていくオカンに
「なんでお父ちゃんは
あんな勝手に決めるんやろ?」
と言っても
「そんなん知らんわ。ハハハ」
と豪快に笑っているだけ。。
「俺は絶対に
こんな親父にはならんからな。。」
と思いながらも
ことあるごとに家内から
「ホンマ、おじいちゃんに似てきたね。。」
と呆れられている。。
旅館に着き、散々遊び、料理も食べ
お風呂も入った私達兄弟は
ゲームセンターで時間の限り遊ぶのですが
毎年、ある時間が来ると
両親がふっと消えるのです。
当時、社交ダンスをするような
大人なBAR?みたいなところに
夫婦で出掛けて、ダンスを踊るのです。。
その時、母親の見たこともないような
軽快なステップを踏む姿は
遠巻きで見ている私達兄弟で
「なんやあれ?オカンやんな。。
どないなってんねん。。」
その時の私達の驚愕ぶりは
言葉が出ないほどで
その時の繰り出される
リズムに乗ったステップや
艶かしい?姿にただ。。唖然。。
「俺ら、見えてんのやろか?」
とひとつ違いの兄に言うと
「シーっ!静かにせぇ!」
と言われ。。
遠くから、見ていると
静かな音楽に変わったと思ったら
あの!最高にデリカシーの無い親父に
抱かれたように踊っとる!!!
「親父。。。」
その姿は
絶対見てはいけないものを見たような気になり
「お父ちゃんとお母ちゃん、、
あんなんしてんねや。。」
と幼い私達には
衝撃だったわけであります。。
あとで教えて貰ったのは
ワルツやジルバ。。チークにタンゴ。。
実はオカンは社交ダンスが大好きで
かなりの腕前だったらしいのです。。
しかし、一度だって家の中で
そんな姿を見たことも聞いたこともなく。。
あのオカンが。。と。。
ひと夏に一回だけ舞うオカンの姿。。
そんな姿を
母親が亡くなってから
不思議によく思い出すのです。。
「オカン?
あれワルツやったか?ジルバか?」
「そんなん知らんわ。アホ(笑)」
言いそうなのです。。
最後までご愛読ありがとうございます。
お盆か。。
早いなオカン。。三回目やで。。
真剣にご結婚をお考えの貴方
おせっかいな私達にお任せ下さい。
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Posted at 09:39