”スパルタに変更す。”
「あ！お父さん！
チョコ、またオシッコチョビってる！」
「あ。そうなん？」
「この子、ホンマに頭良すぎるねんよ。
残してちょっと買い物出たら
こんな事すんねんよ。
あっ！逃げた！こらぁ、待てチョコ！！」
家内の大きな声が
狭い我が家に響いている。
仕事が終わり
「先にお父さんお風呂沸かして入ってて。
私ダイエーさん 走って
なんか買って来るから。」
と荷物を置き、独り言の様に行った
と思ったら、もう姿は消えていた。
ダイエーさん。。
何故家内は、さんをつけるのだろうか？
ダイエーさん。
コープさん。
お風呂屋さん。
人参さん。
まぁ。どうでもいいか。。 と思い
我が家のチョコはと。。
「チョコさん！チョコさん！」
あれっ？またコタツの中か。。
まぁいいや。。 と思い直し。
お風呂を沸かして入っておかないと。。
「あれっ？まだ入ってないの？」
と言われるであろうから。。
よいっしよ。。と重い腰を上げ
お風呂のお湯を張りに行き
ぼんやりと、台所の椅子に座って
新聞の夕刊を見ていた。
「なんか明るい話題は無いか。。」
と最近の少年犯罪や 異常な犯罪？に
目を通していると気が重くなる。。
「お風呂が沸きました！
お風呂が沸きました！」
わかった。わかった。。
ええ声やな。。相変わらず。。
と思いながら 着替えて
お風呂に浸かっていると
ガチャっと玄関が開く音がした。
「ただいま！！ただいま！！
お父さんお風呂入ってる？！」
「チョコ！！ちょー君！！
今日はお留守番かしこかったねぇ。」
「あれっ？
ちょー君！ちょー君！
全然出てきいひん。」
お風呂の中まで聞こえてくる
家内の無駄に？大きなソプラノ声。
それにしても。
チョコはまだ出て来てないのか。。
もしや。。
と思ったら案の定。
前述の
「あ！お父さんチョビってる！」
になったのです。
コタツの中に息を潜め
隠れ様の無いこの狭い我が家で
見つかるのは 仕方ないのに。。
と思っていたら 捕まえられたチョコは
家内に怒られながら抱かれ
私の入ってる お風呂に連れてこられ
「はいよ。お風呂で洗お。
オシッコチョビったし。 罰。罰！」
そうなのだ。
チョコはお風呂が大嫌いなのです。
大嫌いな罰を与える事によって
家内なりの安易な？躾をしようと
思っているのは 良いのだけれど
全ての怒り？が私に向くのです。
「お父さんが甘やかすから！お父さんが。。」
とチョコの 全ての出来の悪い？行動は
私のせいなのです。
そんな理不尽な事。。
と思っても 家内曰く
「お父さんは、怒るとこも怒らな過ぎ！」
だそうで
我が家に来た時から
絶望的？に甘やかしたのは
確かな事ではございますが。。
お風呂にボンと入れられたチョコは
尻尾が下がって助けを求めている。。
「おいで、おいで。大丈夫から。おいで。。」
と抱き上げようとしたら
「バァーン！！」
とお風呂に入って来た家内が
裸で仁王立ち！！
「さぁ、洗お！」
とチョコを怒りながら洗ってる。。
「どうして、あんなとこでオシッコするの！」
と言いながら。。
助けて。。
といった様な顔をしたチョコを見て
「もうええがな。。」
と助け船を出すと
今度はこっちに向き直り
「だってお父さんが悪いねんよ！元々は！」
とオクターブ上がった声になった時
何とチョコは家内の方に
抱いて！抱いて！
と擦り寄った。。
「この人が僕を甘やかすから。。」
みたくな顔をした。。
「ね。怒ってもやっぱり私の言うことを
聞くのよ。ね。チョコ」
「もちろんです。」
みたいな顔をして
身体を家内に預けて
私に軽蔑した顔を向けた。。
いかにも
「この人がね。。」 って。。
決めました。
私、本日からチョコの躾方針を
「スパルタに変更します！」
最後までご愛読ありがとうございます。
怖いよ僕は、厳しいよ。
待っていたまえ、チョコ君。。
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Posted at 09:39