”「会って欲しい人がいます」”
先日、男性会員さんが、相談に来られた。
「先生、そろそろお相手のご両親に
ご挨拶に行こうと思います」
「そっか。。いよいよやな。緊張するやろ？」
「はい、本当、口から
心臓が飛び出しそうで（笑）」
「だろうな。」
出会って交際に入り
悩みながらも私に相談に次ぐ相談（笑）で
来月にはプロポーズし
お相手のご両親に挨拶に
伺う事になったのです。
彼の高揚した顔を見ながら
「よく頑張ったなぁ。。」と見ていると
本当に情けない事に
目が潤み出しそうになったのです。
「ヤバイ。。。」と目を凝らして
話を本題に戻そうとしたその時
「はい、どうぞ。羊羹でも食べよっか。」
と家内が絶妙のタイミングで
入って来てくれたのだ。。
「あ。。そやな。」
家内はきっとわかっているのです。
毎回、成婚のタイミング
まさしく、その大切な報告に来た時
私が、泣きそうになるのを知っているのだ。
「良かったね。本当。おめでとう！
ところでいつ行くの？」
「来月には。。
奥さんも本当にありがとうございました」
「そっか。。君も卒業か。。」
「ちゃんと挨拶出来たらですけどね（笑）」
「という事は
自分のご両親にも、会ってもらう訳よね？」
「もちろん
その後、直ぐにって
先生おっしゃってたので。」
「まだ言ってないの？」
「もちろん、そうだろうなぁとは
思ってると思います。」
「この人なんか
卒倒しそうになってたわ。（笑）
娘に言われた時（笑）」
「そうなんですか？（笑）」
「はい？そんな訳ないわ。
うるさいから、もう向こう行け！」
「はいはい（笑）」
タイミングを計った様に出て行く家内。。
「会って欲しい人がいます、って
この言葉がある意味
親からの自立の最後のメッセージかもなぁ」
「最後のメッセージ？」
「そう。子供を育てながらも親は
いつの日か、こんな時が来るって
考えてるもんな。どんな人を
連れて来るんだろうか？
子供は幾つで？ 私たちに、その時を
プレゼントしてくれるんだろうってね。」
「そんなもんですか？」
「そう。親にとって特別な日なのさ。
きっといつか分かるよ、君も」
「そっか。。そうでしょうね。」
「だから、その時は、心を込めて
ご両親に言わないとね。 正座して
「会って欲しい人がいます」ってね。」
「わかりました。正座して言います！」
「そやな。ご両親喜ぶわ。。。
結婚する事も嬉しいけど
本当の意味での
自立をしてくれる事の喜びは
ひとしおやからね。」
それから、彼と小一時間
羊羹を食べながらお話して見送ったのです。
「また、来ます！」
と頭を下げて帰ったのを見届けると
家内が、パッと私を
いつものデリカシーの無い？顔をして
「お父さん、泣きそうやったやろ？」
だって。。。
最後までご愛読ありがとうございます。
こんな家内に会った事ない人に
私は言いたい！！
「会って欲しい人がいます」。。。合掌。。
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Posted at 09:39