”内緒の儲け話。。”
「ここだけの話やけど
ふっきゃん。。時間取れるか？」
「どうした？どうした？
電話じゃあかんのか？」
「当たり前や。。
内緒の儲け話やから。。」
同級生の親友のO君からの
声を押し殺した様な電話。。
O君は、25歳になるというのに
夢が大きいのか
「一発当てて、一生遊んで暮らしたる！」
と、真面目に働く事よりも
如何に楽をして儲けるのかばかりを
年中考えていて。。
まぁ良いか。。と思い、出掛けてみると
彼が切り出した話は。。
当時、若者の間で爆発的に売れていた
「BｏａｔｏーＨouse」という
トレーナー に触発されたのか
「ブランドの服を作って売って
テレビにでも取り上げられたら。。」
と、無地のトレーナーを買って来て
自分で、デザインをした
「スケベ犬」といったキャラクターを
彼は考えだし
トレーナー自体に
絶対に流行らないであろうと思われる・・・
スケベそうな顔をした犬が
全面に、ニコニコとした服を
自分のブランドにして売るというおぞましさ。。
見ると、明らかに下品そうな犬の
デッサンを見せてもらったのですが。。
誠に残念な彼の発想に。。
「こんなん売れんやろ？」
と言うと
「ふっきゃん。。頼むで。。
これが爆発的に売れるねんって（笑）」
「こんなスケベ犬がか。？」
「お前、センス無いな。。
まぁまぁ見とけって。。」
「ところで、何着くらい作るねん？」
「それがなぁ。。
始めの資金が無いから。。20着やな。。」
「20着？」
「笑うな、笑うな。。
20着、先ず着て貰うわけや。
それで街を歩いて貰うんや。。」
「こんな服着てか？」
「そうや。。それを見た、女子大生が
あっ！可愛い！！何処に売ってんのやろ？
ってなったら、しめたもんや！」
「まさか？俺にこれを着ろってか？」
「ふっきゃんは、顔が広い
先ずは、奥さんと二人が着てやな。。」
「俺が、嫁さんとか？スケベ犬着るんか？」
「そうそう。。アベックで着るんやって。。」
「アホか！俺は別にええけど。。
嫁さんは。。アカンって。。」
「だから、ここからが相談やねんて。。」
「儲け話か？」
「落ち着けよ。。
先ず。これの売値は2600円や。。」
「2600円？高ないか？」
「ビックリするなよ
元は700円のトレーナーが
印刷しても1500円くらいやな。。」
「という事は。。一枚あたり。。」
「そうそう。。
ざっと。。1100円の儲けやな。。」
「だから？それで？」
「ふっきゃんには、宣伝料として
その内100円がバックされるって訳や。。」
「100円！（笑）！要らんわ！（笑）」
「あのな、、、全然わかってないな。。
100万枚売るつもりやで俺は。。」
「100万枚？（笑）
アホか！誰がこんな。。（笑）」
それでも、夢を見ているO君の
真剣な眼差しに 止める事も出来ず。。
「わかった、わかった。。応援したるわ。」
家に帰り家内に
「5200円用意しとって。。Oの頼みや。。」
に
「ハイ、わかった」
と、多くを聞く事も無く
結果、20枚は、即完売！したのも
私達夫婦が、友達、家族に頼み込み
「助けたって！お願い！」
と半ば強制的に買ってもらい
我が家の、底抜けに人のイイ、オカンまでもが
「スケベ犬トレーナー」を着て
街を闊歩するというおぞましい光景に。。
「福山さん、何着てますの？」
「これが、若い子に流行るらしいわ！！
ハハハ！！」
と何の疑いも 持っていない。。
家内は家内で
「可愛いよね。。この犬！」
と気に入ったのか 人に勧めだした。。。
結果。。
売れたのは、50枚もいったでしょうか。。
2か月も経たないうちに。。
「ふっきゃん。。アレあかんわ。。
次な、もっとええのん見つけたわ。。」
と言い出す始末。。
こんな人が私は好きだったのです。。
どうしてるかなぁ。。O君は。。
最後までご愛読ありがとうございます。
また、第二第三のO君の
儲け話があるんだよなぁ。。
お楽しみにね。。（笑）
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Posted at 09:28
