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ふみおくんが見た夕日①  [2014年04月24日]
"ふみおくんが見た夕日①”


「動物園行こ!行こ!」

「それが、ええ、それがええ!」

「ふみおも行くか?行けるか?」

「ん。。。いきたい。。」


今から45年以上も前の事。。


近所の悪ガキ達が

これでもか、と集まると

遊びの種類や

「如何にして一日を楽しく過ごすか?」

は毎日のテーマであり


小学校3年の私に、一つ違いの兄

とっちん、イシミズ兄弟

さとし、つねおくんと

全員、親が共働きの

貧乏で、鼻を垂らしては

ろくな事を考えない

幼なじみの悪ガキが


その日、いつもの様に

「今日、何して遊ぶ?」

と 考えをめぐらせながら振り向くと


そこには そうなのです・・・


そこには、生涯で

「ほんまに嘘やろ?」と思う彼?

が立っているのです。


彼は、一体、何才なのかも

兄弟が何人いるのかも

親が何をしているのか? も

全くわからないのです。


ただ、幼稚園にも行かず

小学校に行くこともなく、

兄弟が7人くらいいそう? な

近所の噂でしかなく


数年前に家族で我々の街に

引っ越しをして来た時には

4畳半だけの、アパートに

一家9人が住んでいたらしいのです。


もちろん、当時我々を含め

貧乏なのは言うまでもなく

貧乏であるのが、普通であったし

お金を持っていなくても

特段に珍しくもなかったし


ましてや、そこには 「貧乏」で有ることで

特別ないわゆる陰湿な「イジメ

みたいな ものは存在するものは無く

本当に、毎日が楽しく、ワクワクする

ことのオンパレードで

街の全てが「夢と希望とギャグ」に


今、思い出しても

あの頃の、 あのきらめく様な

あの「笑い」は絶対にないと思う。。


そんな街にやってきたふみおくん。。


彼の貧乏は、私達の悪ガキの中でも

際立っており 「貧乏自慢」をしながら

笑って過ごしていた悪ガキたちも

ふみおくんの貧乏には

流石に勝てそうもなく

(貧乏なのが普通)


そんな、「歩くギャグ」

(関西ではそこのポイントが高い)

のふみおくんに

どう逆立ちしても勝てそうもなく


何故なら

彼の履く一年中、同じ半ズボン

なのですが、本当にそれは

それは「大きい!」のです。


明らかに「あかんやろ?」「ウソ??」

長ズボンでは無く

彼曰く「半ズボン」なのです。


聞くとオヤジのズボンらしく

そう!なんと表現したら いいのか


形がいびつ、なおかつ、固まっている!」


その上、ベルトが無いので

紐でギュッと締め上げた


あの伝説の半ズボン
 
 
に驚愕し
 
 
 
「あれは、ギャグやろ?」

 
と絶対的に唸らせる

王者の様な奇跡?な

インパクトがあるのです。


ギリギリ、それも本当に

ギリギリの「半ズボン?」

どんなに頑張って

「この街NO1のギャグメーカー」

と言われた私にも

太刀打ちできない彼の「インパクト」は

隣町からも、 その風貌と半ズボン?を

見に来るといった彼の存在だったのです。


そんなふみおくんが

何故か私達の周りから

益々と離れることはなく

時は過ぎていったのです。


いつもとかわらず、色褪せたシャツ?

「羨ましい半ズボン?」のふみおくんが

今日は何故か?今思い出しても

わからないのですが

「前に、前に」来るのです。


きっと、「動物園」に行く話に

聞き耳を立てていたふみおくん。。


そんなふみおくんが「いきたい。。」

と言い出したものだから、大変!!


それから、僕たちは。。。

続きは明日で。。。。

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Posted at 09:55