“お隣さん良かったね”
「あ、おはようさん、
今からちょっと行って来るわ」
「どこ、行くの?
えらい、おめかしして」
「わ、そんなん、よう言うわ」
「どこの、ベッピンさんか思うたわ」
そう、このお方、
お隣のおばあちゃん。
早朝、ゴミ出ししている私の
前を通るおばあちゃん
いつもの感じと全く違う、
出で立ちに思わず二度見してしまう
くらいのシャキッとした
歩幅といい粋な冬の服装に
「ちょっと、娘が何処か
連れて行ってくれるねんて。」
「良かったなぁ、何処行くの?」
「わからへんねん、一泊するから
しか聞いてないねん」
「気いつけて行っておいでよ」
「何かあったら、たのむわねぇ」
「心配せんでええよ、
大丈夫、大丈夫」
聞けば、大阪にいる娘さんが
お孫さんと何処か
おばあちゃんのために、
旅行に連れて行ってくれるらしく
ウキウキとして
「ほな、さいなら」と出かける
おばあちゃんを見送りながら
「良かったなぁ。。」と。。
ご主人に20年以上前に先立たれ
一人で明るく?生きてこられた
おばあちゃん、きっと私が
思っている以上に大変?な余生を
気丈に生きてきたおばあちゃん
何故だか、私に会うたびに
「あんたんとこは、
ホンマにええ家族やなぁ」
「どないしたら、そんなに
ええ家族になれるんやろなぁ」
と、会うたびに
褒めてくれるおばあちゃんに
「滅相もない、
まだまだあきまへんわ」と。。
それでも、何故かいつも
「寂しいんちゃうか?お隣さん?」
と思っていて
そんなおばあちゃんが
「出かける!」に
なんだか、嬉しくなり家内に
「お隣さん、泊まりやって、娘さんと」
「ほー、それは良かった、良かった」
と喜んだあくる日
夜の8時くらいに
「ピンポーン、ピンポーン」
「誰か来てるで」
「誰?」
何と!おばあちゃんが、
お土産を持ってやって来てくれ。。
山中温泉に行ってきたらしく
とても嬉しそうに
お話ししてくれたのです。
そんなに下町?でもないのに、
何故かこの辺りのご近所さんは
お土産を持ってきて下さったり、
おすそ分けが多いのが
ありがたいのですが
「ちよっと、たまには私らも
どっか行って
お土産買わなあかんなぁ」
なんて。。
そんな事言われてもねぇ。。
それにしても
お隣のおばあちゃん良かったね!
最後までご愛読ありがとうございました。
何故か、家内もビックリな位、
本当にお年寄りに
「よく話かけられる」のです。
何故?