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おでき  [2021年05月23日]
【おでき】
 
 
「ぎゃあー‼ 痛ーい‼
 
 何すんねん‼︎」
 
 
その私の悲鳴が聞こえないのか?
 
家内は止めることなく
 
自分の両爪に力を入れ
 
私のお尻に出来た 「おでき」を
 
潰そうとするのです
 
 
あれは何年前だったろうか?
 
10年ほどになるか?
 
 
結婚以来、恥ずかしながら
 
ただただ「ガス代節約」のため
 
一緒にお風呂に入るのですが
 
ある日、家内が
 
 
「お父さん!
 
  何かお尻にぽこっと出来てるような。。?」
 
 
「えっ?全然わからへん。どこ?」
 
 
「じゃちょっとそのままにしといて!
 
  写メ撮るから!」
 
 
急いでスマホを取りに行き
 
笑いながら写メを撮り
 
 
「ほら!ここ!」
 
 
と、得意そうに言っていたことを思い出した
 
 
あれから10年
 
私の「おでき」は日々ゆっくりと成長を遂げ
 
それでも痛くも痒くもなかったので
 
あまり気にしなかったのですが
 
何を思ったか?お風呂上がりに
 
冒頭の「爪を立てて潰そうとした」のです
 
 
「お父さん、ガンかもしれないよ。。
 
 一度お医者さんに診てもらったら?」
 
 
そう言われたこともあるのだけれど
 
とにかく爪を立てられて以降
 
「おでき」が痛むのです
 
 
結果翌日、かかりつけのお医者さんに
 
診てもらうことになり
 
状況を家内が詳細に説明すると
 
看護師さんがさーっとカーテンを閉め
 
先生に「おでき」を診てもらうと
 
ぱっと一瞬触れただけで
 
 
「これ、脂肪の塊。ただの脂肪(笑)」
 
 
「やっぱり脂肪ですよね(笑)
 
  ガンじゃないですよね(笑)」
 
 
「こんなガンないです。脂肪の塊(笑)
 
   ほっておいたら大丈夫
 
 いつか潰れると思うよ(笑)」
 
 
先生、家内、側に居た看護師さんまでが
 
ゲラゲラ笑っていたのです
 
 
「それにしても奥さん、本当仲良いね
 
  おでき潰そうとうとしたなんて(笑)
 
 僕なんか絶対触ってくれへんわ」
 
 
診察を終え
 
気持ちばかりの 「塗り薬」を
 
出してもらった帰り道
 
家内が思い出したように笑いだし
 
 
「先生、おでき触ったあと
 
  自分の手アルコール二回かけてたね(笑)」
 
 
そうですか。 良かったね。
 
 
 
最後までご愛読ありがとうございます
 
 
「今度、爪楊枝で刺してみよか?」
 
 
もう許してください。。
 
 
  
 
 
                      

 

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Posted at 09:39