【悪魔のヒヒヒ】
「許してください。。」
声が声にならない。。
それでもやめようとしなかった。
身体を横転させ苦しまぎれに
リビングの窓に映る私の腰の上で
仁王立ちになった家内の顔をふと見ると
まるで悪魔のような笑いを浮かべ
淡々と足踏みをしている
「ここでしょ?痛い?(笑)」
「そこです。そこです。」
就寝前の我が家の儀式
季節の変わり目かというより
慢性的な運動不足で腰が痛むのであります
そんな時、家内に腰を踏んでもらうのです
上に乗ってグリグリするのです
昔はそんなに効かないと思っていたのですが
結婚当初から約1.5倍の体重増加にて
最近は強烈な重さに
息が出来ないくらいの圧がかかるのです
また長年の私へのマッサージ技術の向上により
足裏で少し触れただけで
ピタッとその痛む部分を探り当て
それはそれは容赦なく素早くそして粘着質に
患部をグリグリするのです
その都度
断末魔のような悲鳴をあげるのですが
ここではやめようとしないのであります
「お願い申し上げます。許してください」
「痛い!痛い!」
「本当です。許してください」
「まだまだ!(笑)我慢して!(笑)」
日頃の私への恨み?か
絶対的に優位と思われるこの体勢から
さらに加速するのであります
私が悲鳴をあげる度
悪魔のヒヒヒみたいな声が聞こえ
それを何度か繰り返したあと
「今日はこれくらいにしといたろ(笑)」
「ありがとうございました。」
と、なるのです
終わったあと
しばらくその場で動けなくなるくらいの
放心状態を過ぎ就寝に2階に上がるのですが
まるで何もなかったように
あの悪魔の顔も消え失せ
もちろん天使ではありませんが普通に
「ちゃんと電気消してくれたの?」
「ハイ」
「ちゃんと消しました」
なんか負けてるみたいになっとうやないか!!
「だって腰痛いんでしょ?」
「ハイ。明日もお願いします」
と、いうことで
この腰の状態である以上
我が家の絶対的君主は家内になり
毎夜あの「悪魔のヒヒヒ」を
聞くことになりそうです
トホホ。。
最後までご愛読ありがとうございます
しかしこれが泣けるくらいツボに入り
効くんだよなぁ。。 仕方ないか。。
Posted at 09:39