【あかふじ米くん】
「スカイラインGTRが1000万!」
1970年、80年代の車が
破格の値段で取引きされていると聞いた
当時、若者は車を持つのが当たり前で
18歳になるのを待ちわびて
免許を取得に行ったのです
中には4月産まれの高校生など
高校三年生の時には車に乗って
女の子とデートしてたり
免許を持ってない私たちを乗せて
深夜ドライブなどあった時代です
私は2月産まれだったのすが
仮免許の時に18歳だったら良かったので
その2か月前から教習所に通い
18歳の誕生日に仮免許を取得し
その1か月後には免許をもらったのです
当時、明石の試験場で最終試験に受かると
免許発行まで2週間かかったのです
その2週間がとても長く感じ
発行されるその日
朝の9時に指定された警察署に行き
免許をいただくのでした
それはそれはもう車に乗りたくて乗りたくて
仕方ない訳でございます
すでに車を持っていた友人に送ってもらい
その帰りに初めて運転した時は
本当に嬉しかったのをよく覚えています
しかし、お金もないのに
どうしても自分の車が欲しいと考えていた私は
友人知り合いに頼み込み
予算5万くらいでとお願いしていたら
知り合いの知り合いのおじさんから電話あり
「車廃車しようとしてる人がいてな
どないや?見てみるか?3万でええらしいで」
「3万!!ホンマですか?!それ買います!!」
「じゃぁ今から行くわ
でも笑たらアカンで(笑)」
「笑う??」
その電話を切ったあと
もうワクワクドキドキが止まらない。。
どんな車やろか??
車に乗るのが子供の頃から夢だった私は
嬉しくて嬉しくて家の外で
「その車」を待ちわびていたのであります
かれこれ10分くらい待ったでしょうか?
その時間はあまりに長く感じましたが
すでにオカンに借りた
3万円を握りしめていたのです
「ホンマに3万円で車売ってくれるんやろか??」
18歳、まだ高校生だった私でしたが
これで女の子をデートに誘い
自分の車で六甲山などをドライブする。。
長年の夢が叶う。。。
そんなことを考えていた時でした
当時住んでいた私の家は
緩い坂道になっていたので坂の下の方から
何とも言えないギイギイとした爆音と
見覚えあるおじさんの手を降る姿が見えたのです
一瞬そんな訳ないか。。
と目を閉じたのですが
だんだん近づいてきたその車に乗っているのは
間違いなくそのおじさんでありました
ゲラゲラ笑いながら手を振って
目の前に現れたその車のボディーには
大きく赤い文字で
「あかふじ米」「〇〇商店」
後ろが荷台になったボロボロの軽トラだったのです
「えっ?これですか?」
声にならない声を出した私に
全く悪びれることなくそのおじさんは
「3万やからそんなもんやろ(笑)
まぁ乗ってみ。まだ走れるで(笑)」
さすがに軽トラ。。
あかふじ米はない。。
と思ったのですが
それでも車が欲しい
自分の運転でいろんなところを走ってみたい
と願っていた私は
試運転で町内を一周した時
「これもありか。。」と思ったのです
結果、その車が私の初めて買った車で
友人やその時にお付き合いしていた彼女に
死ぬほど笑われ
その時期一瞬
「あかふじ米くん」などと言われたのです
それでも初めての自分の車だったので
嬉しくて嬉しくて
その最高速度30キロ?のあかふじ米を
時間があるとひとりで乗り回したのでした
しかし購入して2週間くらいでしょうか?
何ということもないカーブを曲がった時
一瞬左にグラッと傾いたと思ったら
何とそのまま横転したのです!
幸いケガなどはしなかったのですが
助手席の窓は割れ
ガソリンタンクからガソリンが漏れてきたのです
それを見ていたこれまた近所のおじさんが
慌てて車の持ち上げを手伝ってくれたのです
「君大丈夫か?」
「ハイ、全然大丈夫です」
「これ君の車なんか?」
「ハイ。そうです」
「君、お米屋さんなんか?」
「いえ、違います」
結果、そのままあかふじ米車くん
左ドアが開閉出来ないとなり
修理したら5万かかると言われ
そのまま廃車になったのです
あれから40年以上いろんな車に乗りましたが
私にはあのあかふじ米くんが
忘れられないのであります
もし、今でもあのあかふじ米くんを
所有していたら
超プレミアがついているのだろうか?
ないない。。絶対ない。
それは断言できる
最後までご愛読ありがとうございます
しかし3万であるなら今すぐ購入を考えたい(笑)
Posted at 09:39