【休日②】
（休日①はこちら）
「釣れましたんか？」
いつのまに隣にやって来たんだ？
「手応えはあるんです！」
リールを巻きながらチラッと挨拶し答えた時だった
さっきまでの手応えが嘘のように
糸がピーん！と張りつめたと思ったら
全くリールが巻けなくなり
明らかに「根掛かり」の様相を呈してきた。。
「アカン。。動かん！！」
「お父さんアカンやん（笑）
引っかかってるんやわ」
結果、どう引っ張っても無理と諦め
せっかくの仕掛けをハサミで切り落としたのです
「一投目から根掛かり（笑）」
自虐的に笑うしかなかった。。
隣で見ていたおじいさんも
「それは残念。。」
と海面の方を向きながら呟いた
さっきまで後ろで見ていたギャラリーは
振り返ると全く居なくなり
とここまではある程度予想は出来た
しかしそこからが大変。。
そのおじいさん
私たちから何故か全く離れようとせず
かと言って釣りの指南でもあるのかと思ったら
それも全くなく
釣りに一緒に来たメンバーのように
永遠に隣に居続けるのであります
気になるので釣りの話でもしようと
「このあたりは今なら何が釣れるんですかね？」
と、聞くと
「さぁ。。何でっしゃろな。
魚の気分次第やな。。」
「？？」
と思ったのですが
おお！プロの答え！！
と思い直し、さらに質問を続け
「よくお越しになるんですか？」
「それも気分次第やな。。」
と、言って海を見る
どんな質問をしても話が続かないので
黙って釣りを続けていても
全く離れようとしないのです
段々と不気味になり
家内に至っては
「お父さん
ここに荷物置いてるからよく見ててよ。。」
と、そっと耳打ち。。
こんな広大な釣り場で1時間弱離れないのです
その間、全くあれから風が出てきたからか
あたりがないのです
仕方ないのでここはお昼でもと
お弁当でも買ってきてテントの中で食べようと
そして車を１時間で一旦出して
向かいのスポーツデポの駐車場
１時間無料に止め直しと
こんなところでは抜群の機動力を発揮する家内に任せ
動き出したそのタイミングでおじいさんに
「なかなか難しいですね。。
今日は波が多いからかな？」
するとその離れないおじいさん
いや、もうジジイと言おう！！
「今日は無理でっしゃろな
なんぼ投げてもあきまへんやろな」
はぁ？？？？
このジジイこの1時間ほど何を見てたんだ？！
「やっぱあきまへんか。
まぁ仕方ないですね
ところでおじいさん、釣りはよくされるんですか？」
「わし、釣りしたことありまへんねん」
。。。。。。
何を言ってるんだ。。
聞き間違いか？
「魚の気分次第でっしゃろな。。」
そう言っていたジジイが
釣りしたことない！！！？？
いかにもプロっぽい感じだと思い込んでいた私が
次の質問をしようとしたその時
急に後ろを振り返り帰って行ったのです。。
「ボケてはんねやわ。。」
と帰ってきた家内がぽつり。。
「ボケてたんか。。可哀想に。。」
それからまた次の1時間頑張ったのですが
ワンタッチテントは両足が出るので
足元が冷えてきて無料駐車場も
1時間のタイムリミットが近づいてきたので
そろそろお開きにしようと片付けを始めたのです
「まぁ最初はこんなもんよ。
今日は風が強いから 仕方ないよね」
ここまでは良かった。。
続きは明日。。
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Posted at 09:39