【リアルな仲人の日常(私たちの場合)】
「悔しいよな。ホンマに悔しい！
でも負けんとこな！ 絶対にめげんとこな！」
「先生、そんなに残念がらないでください
私大丈夫です。めげません！頑張ります！」
てっきりお見合いOK交際だと思っていた
家内が紹介に向かったので
しばらくスマホを覗きこみ車で待っていたら
ドアが「バタン！」と
いつも驚かせるくらい大きな開閉音は
家内の癖なのか？ 姿勢を正した私に
「あ。驚いてる！（笑）」
「もうちょい静かに入れ（笑）」
「ゴメン、ゴメン（笑）」
「どやった？」
「うん！いい感じ！うまくいくと思うよ」
「そりゃ良かった。お疲れでした」
お見合い場所に30分前に着き
すぐに彼女はやって来たそうで
新しいワンピースが跳ねたように見えたらしい
家内の姿を見つけると
遠くから手を振り駆け寄って来てくれた
「元気ぃ！！？」
「ハイ！元気です！！」
「ちょっと涼しくなって良かったね」
「ほんと暑かったですよね」
家内はその時、待ち合わせ場所の
ホテルのフロント前付近を見渡したらしい
それっぽい男性は見当たらない
しかし気を抜いてはいけない
ひょっとしたらすでに来ている可能性もあるのだ
それならば失礼にあたる。。
もう一度時間を確認し
お見合いの時間までは20分以上ある
少なくともあと5分は
久しぶりのお見合いの彼女と話すことが出来る
この5分が必要なのだ
彼女の今の気持ちはもちろん
本日のお見合いが笑顔で入れるよう
出来うる限り家内なりの緊張ほぐしが始まるのだ
その間、家内はずっと笑顔でいるらしい
「あっ！あの方ちゃう？」
「そうですかね。。？」
「ちょっと待ってて、聞いてくるね」
家内は早足で男性に近づく
それを見なくても私にはわかる
これまた満面の笑顔で
「こんにちは！〇〇さんですか？」
「ハイ。そうです。
どうも。お待たせしました」
その挨拶を少し離れて見ている彼女に
家内が呼びかける
「お越しになったよ」
「こんにちは」
「あ。どうも、〇〇です」
「本日はありがとうございます
彼女とっても楽しみにしてたんですよー ね？」
「ハイ」
二人を引き合わせ、ホテルのラウンジに案内し
「それでは、どうぞよろしくお願い致します」
男性に頭を下げ、彼女には大きく手を振る
先に歩く男性のあとに続く彼女が後ろを振り返り
ペコッと頭を下げた
その姿に家内がガッツポーズをしエールを送る
無事に席に座ったのを見届け
待っている車に戻ってくる
そして「バーン！」とドアを開け私に報告をする
「どやった？」
「うんいい感じ」
その翌日、交際希望だった彼女にNOのお返事が。。
これもご縁がなかったと
冷静に受け止めれるようになったのも
幾度ない経験がそう考えれるようになったからと
無駄にわかったような顔の仲人になりさがり
しかし彼女からのとても謙虚な感謝のLINEが入り
「少し電話でお話ししようか？」
「ハイ、喜んで」
そんな彼女がゆっくりと崩れるように
涙声になったのです
あ。。アカン。。弱いのだ。。
女性の涙に弱すぎるのだ。。
で、冒頭の
「悔しいよな。。。」になるのです
結局
会員さんの「めげません！」に勇気をもらい
長い一日が終わるのであります
電話を切ったあと
それでもなかなか眠れなく頭の中で考えが巡り
その気持ちを察しているのか
家内は静かに私を良い意味で放置？し
翌日、朝一番にお見合いの申し込みをした彼女に
昼過ぎ早くもOKのお返事が！
「良かったわぁ。。」
家内と顔を見合わせ喜ぶ。。
そしてそんなことにめげずに頑張った会員さんが
いつかは喜びの成婚の報告
嬉しいよりも正直ホッとし気が抜けたようになり
時間が過ぎ
自分が決めている安心ゾーンに入ってから
じわじわと喜びを噛み締める
しかしいつまでもその後が気になる
その後、連絡もなくなった会員さんは
結婚し仲良くやっているのかとふと思う
成婚していった会員さんを思い返す
仲人として７年目を迎え
たくさんのドラマがあったと夫婦で話題は尽きない
話し出すと笑いあり涙ありで時間が過ぎていく
こんな仕事に出会えたことに感謝を忘れないようにと
夫婦で改めて確認する
そんな日常が私たちは幸せで大好きなのであります
最後までご愛読ありがとうございます
その合間にプール。
さすがに寒くなってきた
真剣にご結婚をお考えの貴方
おせっかいな私達にお任せ下さい。
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Posted at 09:39