【青い空とカップラーメン】
「あっ！やってもた！！！
チョコ！！アカン！！熱いからダメ！！」
テーブルの上全面にご丁寧に
一滴漏らさずカップラーメンが広がっていた
「熱っ！！」
慌てて何を思ったのか
床に溢れないよう手で受け止めようとした
そんな私の声に
少しはビックリしたような気配を
感じてくれれば良いのに
チョコが床の上の
カップラーメンの匂いを嗅いでいた
「お昼カップラーメンでも食べてるから大丈夫」
家内が町内会の集まりに行くので
「お昼作っておくね」
と言われたのですが、ここは
「優しいご主人ね。」
なんて言われないだろうか？
なんて考えてしまったのが
今思えばいけなかったのであります
もとより男は女性が思っている以上に
カップラーメンが好きなのであります
自分の好みのカップラーメンを
数種類必ず在庫に取り揃え、家内から
「カップラーメンはあまり身体に良くない」
と言われ
「そんなこと百も承知じゃ！」
と、言う私にいちいち言うのが
面倒くさくなったのか？
それとも完全に呆れられたのか？
隠れて夜中に食べられるよりましと思っているのか
定かではないのだけれど昨日に至っては
「じゃ、おにぎりも置いておくね」
と決して小さなおにぎりとは言えない
おにぎりを二個皿に置き
横にカップラーメンをお湯をすぐ注げるように
出かけて行ったのです
12時ちょうどに(食事の時間は極めて正確)
お湯をたっぷりと注ぎ
「少し早いか？」と思いながらも
慎重に慎重に蓋を取ろうとした時
左手が微妙に
カップラーメンの横部分に当たったのです
「あっ！！！」
スローモーションみたく
倒れるカップラーメンをどうすることも出来ず
テーブル全面に広がった残骸？を
呆然と見ていたのです
かと言っていつもなら家内が居て
「お父さんどいて！！」
と恐ろしいほどの神風スピードで
後処理をする頼れる存在もなく
ただ私の邪魔をする年を取り全ての動きが
スローモーションのチョコしかおらず
結果、仕方なくセコセコと
洗面所からタオルを持って来て
後処理をしたのです
「これで綺麗になった。。。」
と眺めたのですが
ここで助かったのはおにぎりの存在だったのです
大きめの二個のおにぎりだけは無傷だったので
そのあと、チョコを連れて2階のテラスに行き
おにぎりをひとり食べようと思ったのです
ゴロンと横になり
「さぁてと。。」
とおにぎりを口にしようとすると
「さわさわ。。さわさわ。。」
春らしい心地よい風、そして空を見上げると
一点の曇りもない青い空が先ほどの私の失敗に
「ま。そんなこともあるよ（笑）」
と優しく囁いてくれたような気がしたのです
隣で同じように空を見ていたチョコに
「チョコも食べるか、おにぎり？」
の私の問いにゆっくり近づいて来て
クンクンと鼻を近づけ匂いを嗅いだら
「特に要らない。」
と顔を背け
「ま。君食べたら。お腹空いてるやろ。」
と興味なしそうな顔をして
人工芝の上で呆れたようにゴロリ。。
青い空の方が優しいような気がします
最後までご愛読ありがとうございます
当分カップラーメンはやめておこう
神様が「やめときなはれ」
って言ってそうな気もするね
真剣にご結婚をお考えの貴方
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タグ：青い空
Posted at 09:39