【無言の闘い（サウナにて）②】
静まり返った４人のサウナでの密室
もちろん最後に入ったのは私ではありますが
そんなことはどうでも良いのだ！！
大切なことはサウナから 出て行く順番なのだ！
最後に入った私が、彼たちより
早く逃げるように出る訳にはいかないのだ！
私が最初に入った時の
「この狭いのに。。」
さらに、私の顔を見て
「この男。。サウナの猛者か。。」
決して言われた訳でなないのに
そんな雰囲気で思われているんじゃないか？
私は最近、毎回サウナに入ると
人数を数え「いちにいさん。。」
全員の数を確認し
絶対に最後に出ようと決めてるのです
「あのオヤジ根性ない。。」
出て行く後ろ姿を笑われてはいないか？
そんなことを思うともうダメなのです
「あのオヤジは根性ある。。」
その勝ってる感が至福なのです
今回は、狭いサウナに入り込んだのと
自分の中での何か？が私のスイッチが入ったのか
絶対に最後に出ないといけないのです
「やはりあのオヤジは凄い。。」
そう思わせたかったのです
ところが
金ネックレス男も定年お父さんも
筋骨隆々君も出る気配すらないのです
「たのむ出てくれ。。」
心の中でそんな祈りをしていることを
絶対に悟られてならない！
そうだ！！汗を掻いてる感もいけない！！
そっと汗を気づかれないように拭き
全く「熱くない感」を出せば良いのだ
どうやって？？
そうだ！！
下を向くから我慢しているように見えるのだ
少し猫背に なっている。。
これじゃいけない。
３人とも心の中で
「絶対に一番には出ない！」
そんな葛藤があるはず！
絶対そうに決まっとる！！
何故ならサウナは男の闘いの場だからだ！
「私は全然熱くないんだよ。君たちと違ってね」
そんな風に見えてくれて
「もうアカン。。」
誰でもいいからそう！ 立ち上がるのだ！
そんなことを考えてると
まるで察したかのように
ネックレス男がスクっと立ち上がり
「前すんませんです。あ。どうも。」
はぁあぁああぁ？？？
少し訛っとるやないか！！
負けて後悔なしの顔やないか！！
すっぽーん！と仏さんみたいな出来上がりやないか！！
あっさり「ふいにっしゅ」に未練もないのか？
まぁええやろ。。
残りは2人。。
続きは明日ね。
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Posted at 09:39