【米寿のお祝い】
「施設の方でお父様を含め
敬老のお祝いをします」
先日、父親が入居している老人ホームで
節目の年齢の方のお祝いにと
祝賀会を催してくれたのです
たくさんの参列者、家族の方が集まり
白寿、米寿、喜寿
それぞれのお年寄りの方の家族が集まり
スタッフの方がお祝いをして下さったのです
私の父親がこの施設にお世話になって
半年が過ぎ施設の方のおかげ様で
元気でいれることに頭を下げるしかないのです
その気遣いや優しさは奉仕の気持ちに溢れ
真心がなければ出来ないと思うのであります
口の悪い父親が
昔みたく元気に喋ることが出来たなら
「昭二、ここは最高やで！
おまえとえらい違いや！
よーしてくれるわ！ハハハ！！！」
きっとそう言ったと思うのです
しかし現実には車椅子になんとか乗って
私たちの声かけに
「ああ。。」 と返答するくらいで
時に思い出したように大きな声で
「ええっ！！なんや！！」
周りがビックリするような声を出し
私たちを慌てさせるのです
自分が正確に伝えられないことに対する苛立ちが
私にはわかるのです
あれほど見事なまで自分の話を
おもしろ可笑しくそして抑揚をつけ喋り
周りの人間が引き込まれていった
あの若い日の父親の姿ではなく
最低限の自分の想いを
伝えることすら出来ないのです
そんな父親が私の顔を見る時
施設の方が言って下さったのですが
最高の笑顔になるのだそうです
それはきっと「何かを伝えたいから」 と
その都度私は深く考えてしまうのです
「親父元気か？」
「おお。」
と言って手を握るのですが
それはお互いが恥ずかしいと感じるのか
力が抜けていくのです
それでも私の顔を見て
何かを伝えようとするのですが
「なんて？何？何？」
大きな声で聞くのですが
情けない話、全くわからないのです
「なんて言ってる？」
家内に聞くと
「昭二よー来たな！」
って言ってると思うよ
絶対にそんな言葉じゃなかったと思うのに
家内は私の気持ちを考えてか
毎回変な通訳になるのです
そんな父親の
米寿のお祝いセレモニー約２時間が終わる頃には
真後ろで父親が眠らないように監視？していた私が
一番冷や汗をかき疲れてしまったのです
「寝てまいそうやで親父。。」
「お疲れやったねおじいちゃん。おめでとうね！」
今にも深い眠りにつきそうな父親に
大きな声で声かけをする家内。。
部屋に送り
「さあ。おじいちゃん着替えて休もうね！」
持ち込んだ昔のスーツとネクタイを外し
パジャマに着替えると
目がほとんど焦点が合っていない。。
「親父帰るで！仕事やから！」
大きな声で父親の耳元で言うと
「ああ。はよ帰れ。」
今度は何と！はっきりと聞こえたのです
帰りの車中で
「無事に米寿のお祝いのセレモニー終わったなぁ。。」
と独り言のようにつぶやくと、家内が
「おじいちゃん嬉しいけど素直に喜べないね
誰かに似て、照れるんやわ（笑）」
だって。。
結局そんなオチか。。
最後までご愛読ありがとうございます
施設の皆さま関係者各位全ての方に
この場をお借りして
米寿のお祝いいただき感謝申し上げます
本当にありがとうございました
真剣にご結婚をお考えの貴方
おせっかいな私達にお任せ下さい。
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Posted at 09:39