【お気に入りのベンチ】
「チョコ、行こか？お山の公園行こか？」
もう三月だというのに、全く我が家は
相変わらずコタツ生活なのでございます。
チョコに至っては、コタツの中で暮らしている。。
と言っても過言ではないほどの
体たらくで、寒さにすこぶる弱いのであります。
「チワワってメキシコ生まれって知ってた？」
息子から先日聞いた情報は
我が家のチョコになんのイメージも湧かない
まっすぐな
ダラダラ純日本犬としか思えないのです。
コタツが好きで、スルメが大好物で
テレビをジッと見ながら首を傾げ
車がすこぶるお気に入りで
ドライブともなると身を乗り出して
日本の四季風景を
毎回興味深く見入ってるのです。
散歩も、神戸は少し走っただけで
海、山とあっという間に行けるので
毎朝、海、そして週１？週２？くらいのペースで
我々、秘密の「お山の公園」に行くのです。
そこは車で30分くらいの場所にあり
神戸の山の空気を
贅沢なくらい吸い込めることが出来
少し高台に向かって歩くと
時代から置き忘れられたようなベンチがあり
きっと、このベンチに、前に座ったのは
私たちであると思われる佇まい。。
と、ひとり悦に愛着を感じる
それはそれは
お気に入りのベンチなのであります。
何よりその風情が良い。
前をシャンと向き、誰の束縛も受けず
ただ、その季節を
身体で受け止めているかのような感が良いのです。
私たちは、そのベンチに座り
メキシコ生まれ？の自由に走り回るチョコを眺め
お弁当を持って、お茶を飲みながらゆっくりと
その時間を楽しむのが 大好きなのです。
「お父さん、このベンチ誰も座ってないよね？
前、私たちが来てから。」
「たぶんね。
絶対座ってないような気がするな。。」
「こんなに一途に
おじさんに愛されてるベンチも幸せね。（笑）」
そう言って
「チョコ待て！！」
と駆けていく家内を見ながら
そうか。。そう言えば確かに一途だな。。
山の空気を吸いに？チョコの散歩？
そう思っていた自分が、先ほどの家内の
「一途ね。。」
と言われたことで、はっきりとわかったのです。
この取り残されたような
誰も腰掛けることがない、忘れ去られたような
このベンチに私は会いに来てる？のだ。。
その高台にあるベンチは
どうしてこんなところにベンチが？
と思える場所にあり
私にとっては
神戸の山麓が一望出来る このベンチは
素晴らしい。。 と思っているのですが
とても残念なくらい静かな寂れた公園なのです。
そんな山の公園のベンチに座って
お弁当を広げるおめでたい？人は
絶対に私たちだけと確信していて
今後も絶対に 「あ！あのベンチ素敵ね！」
と言われることはないと思えるのです。
そんな取り残されたようなベンチを
何故か私は見捨てられないのです。
自分は子供の頃から、何故か
「人が見向きもしない」物？人？に
固執することがあり今でも
タイムスリップしたような喫茶店や
「ケロヨン」桶のある銭湯
人影少ない商店街
今だに
携帯電話すら持ち合わせていない散髪屋。。
愛してやまないのです。
このベンチも見つけた４年前から
足繁く通っていて
このベンチに座って考えたブログは数知れず
その他素晴らしい、いろいろな
生きるヒントを私に教えてくれたベンチなのです。
「まぁ。ゆっくり座りいょ。久しぶりやないか？」
と声が聞こえてきそうな
その包み込むような温かさは
格別な座り心地で
絶対に私は君を忘れはしないよ。。
誰も座らなくとも、誰の目に触れられなくとも
私は君に会いに行くよ。。
そんな想いで先日も出かけたのです。
ベンチに座り、ふぅーっと息を吸い込んで
「また、来たよ」
とベンチを撫でると
日差しが一段と差したような気がしたのです。
ところでメキシコ産の愛犬は？
勢いよく 家内と走り回っております。
「チョコ！待て！待て！」
だって。。
捕まらんなぁ。あの走りじゃ。（笑）
なんだか幸せ。。
最後までご愛読ありがとうございます。
皆さんにとって
お気に入りのベンチはありませんか？
真剣にご結婚をお考えの貴方
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Posted at 09:39