手編みのマフラー
「おいおい、
あれ誰のん編んでんのやろ?」
「いやぁ、俺とちゃうやろ。。」
寒い日が続くこんな季節になると、
女子がせっせと
授業中であれ、休み時間であれ、
教室の中で「誰か?」の為に
マフラーを編むのです。
この光景は特段珍しくもなく
編んでいない子が
居ないくらいで
共学の高校では、
男子は、マフラーを貰うのが
ひとつの「ステータス」で
ハンサムの男子の中には、
冬のワンシーズンで
“10のマフラー”を
貰う強者もいたのです。
「そんなに、貰ってどうするねん!」
と、負け惜しみを言っても
「結果は結果」
の現実があり、首元に
「勝利の証」
があった時代なのです。
それでも、勝利のマフラーを
首に巻けるのは
ごく一部の男子で、
大半は残念ながら
「オカン手編みのマフラー」なのです。
それでも、
「違う学校の子から、
もらったわ、ビックリしたわ」
なんて、「絶対あり得ないウソ」を
平然と言い放った時代なのです。
私は?
そうです!もちろん
「オカン手編みのマフラー」
なのです。
しかし、
ひとつ違ったのは
「絶対あり得ないウソ」
が通用しないのです。
マフラーに漢字で
「昭二」と丁寧に編み込み
その上、
どう考えてもあり得ない「色」を
オカンは選択するのです。
「頼むから今年はええって。。」
と言っても
何故か、
「あほ!寒いやろ!」
と言って聞いてくれないので、
せめて名前の部分を隠して
巻き付けて
学校に通ったのを思い出すのです。
首元が寒くなると、
何故だかあの時代の
あの「マフラー」が
一番、暖かかったような
気がするのが切ないですね。
最後までご愛読ありがとうございました
婚活している 「貴女!」
マフラー編んでみる?
時代がちやうか。。